はじめに
”人間の運命は自分の魂の中にある”ヘロドトスの有名な言葉ですね。
私たちは、前世から続く縁によって現世を送り、未来世に向かって進んでいく。
その過程でたくさんの「縁」によって誰かと出会う。
そこで、愛染明王という「縁」を司る密教の一尊にスポットをあて詳しく解説します。
愛染明王は、密教における明王の一尊です。
梵名をラーガ・ラージャ、「愛欲の王」といった意味があります。
愛欲は、人々の心に生じる強い欲望や強欲、貪欲を指します。
恋愛や結婚、復縁、恋人やパートナーへの肉体的な欲求、物質的な執着や精神的な欲望などです。
そうした「愛欲」(愛染)を浄化し覚りへと導く明王です。
愛染明王
浄化された人間の愛欲を尊格化した明王。金剛薩埵が姿を変えた仏とされ、金剛薩埵の17尊を眷属とする。
愛欲の激しさを象徴する赤色で、菩提心の堅固を表す燃える日輪を背にし、三目で六臂あるいは四臂、
金剛杵と鈴・弓矢・蓮華などをもつ。瑜伽経(ゆぎきょう)に基づいて画かれる。人をひきつけ救済する敬愛法の本尊となる。種子(しゅじ)は吽(うん)時の場合が多い。遺品として彫像に仁和寺像(平安末期)や西大寺像(1247,善円作)がある。愛染曼荼羅(人びとが愛し和合を願う敬愛法の本尊)
「愛染明王」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.3.
愛染明王は、恋愛成就や縁結び、復縁、結婚・良縁、出産などに大変ご利益があるとされています。
以下のような「功徳」、現世利益(げんぜりやく)を授かるとされています。
● 悪病や難病、あらゆる災難を除く
● 財運・金運を高め、資産・財産を増やす
● 福楽や福徳を授かる
● 周囲から尊敬され愛される(敬愛)
● 怨敵退散、人間関係を良好へ導く
現世利益(げんぜりやく)
神仏の恩恵や信仰の功徳(くどく)が、現世における願望の実現として達成されること。
「現世利益」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.290.
人生を大きく開運させてくれる人物、仕事・ビジネス、金運・財運、身体健全、健康や長寿などに資する好人物との縁を導いてくれます。
以前、ある不妊治療をされているご夫婦のご依頼で愛染明王真言を100日間連続して唱え、愛染明王の護摩を厳修しました。
すると、ある日、ご依頼者から吉報が届きました。
愛染明王尊の霊験・功徳は、縁結びとしての男女の縁だけにとどまらず、親子の絆も授けてくださることをあらためて強く実感。
また、愛染明王真言には子宝に恵まれる縁(病院や漢方薬、いろいろな方法など)をお導きくださる、そのことも強く確信しました。
さらに、運命の人と出会う、開運の重要な鍵を握るキーパーソンと巡り会うための大切な縁も結んでくださいます。
■ チベットやインド、ネパールをはじめ世界中へ巡礼の旅に
2001年のアメリカ同時多発テロを直接経験しました。
そのことをきっかけに高野山で出家。
その時に出会ったのが、台湾からの留学僧だった兄弟僧(兄弟弟子)です。
兄弟僧に導かれ、これまでチベットやインド、ネパールなど世界中を巡礼、仏道修行の旅に。
前世からの深い縁・得難い仏縁を感じています。
僧侶として今の自分があるのは兄弟僧のおかげです。
衷心感谢
愛染明王は、恋愛成就や縁結び、また、病難や災難を逃れる、福徳や財運を増やす、周囲から尊敬され愛される、敵対するものを降伏させるさまざまなご利益(現世利益)があるとされています。
金剛合掌を結び、愛染明王の真言を唱えたり、聴いたり、また、種子を観想(心に思い浮かべる)すると、愛染明王の霊験・功徳をさずかります。
(関連動画)
悪しき縁を断ち切り、いい縁を引き寄せる!!
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