今朝の早朝のヨーガと瞑想修行の時に、愛染明王様のイメージが強烈に浮かびました。
愛染明王とは密教特有の憤怒相をした尊格です。
『金剛峯楼閣一切瑜珈瑜祇経』(瑜祇経)に由来する仏様です。
『金剛峯楼閣一切瑜珈瑜祇経』(瑜祇経)とは
※ 五部秘経の一つ。三部秘経(大日経・金剛頂経・蘇悉地経)、要略念誦経・瑜祇(ゆぎ)経。
※ 高野山真言宗総本山金剛峯寺の"金剛峯寺"という名称は、お大師様が唐から持ち帰ったこの経典から名付けられと伝えられています。
そのお姿は、獅子冠をかぶり3つの目と6本の腕をもちます。
非常に恐ろしいお姿をされています。
しかし、それは私たちの三毒(貪瞋痴)を昇華させ、正しい道へ導くためにです。
「愛染」とは、愛情と煩悩を意味します。愛染明王は、愛情や煩悩をコントロールすることで、悟り(真の幸せ)へ導いてくださる仏様です。
愛染明王は、さまざまな御利益(現世利益)があるとされています。
代表的な御利益
● 愛情運アップ
● 仕事運アップ
● 金運アップ
※ 商売繁盛・社運隆昌・開運出世
● 健康運アップ
※ 無病息災・病気平癒
● 災難除け
※ 三毒(貪瞋痴)の昇華
「おん まからぎゃば ぞろしゅにしゃ ばざらさとば じゃくうん ばんこく」
(根本呪)『真言宗常用諸経要聚』より
人を好きになったり、恋焦がれたり、愛することはとっても素晴らしいことですね。
しかし、その想いが強くなればなるほど…、やがて苦しみに変わります。
また、執着し過ぎれば、四苦八苦の「愛別離苦」で苦しみます。
愛染明王真言には「煩悩即菩提」(ぼんのうそくぼだい)、つまり、その断ちがたい愛欲を無理に全否定し断ち切ってしまうのではなく、
正しい方向、ポジィティブなエネルギーに変え、真実の幸せに導く力を秘めています。
出合いや出会いは、大変ドラマチックです。
出会い巡り会えたその奇跡に心から感謝できる自分。
魂がさらに成長し、本当の運命の人と巡り会えるようになるのではないでしょうか。
「運命の赤い糸」、それはお互いの魂を成長させるために巡り会う前世からずっとつながっている魂の絆。
煩悩即菩提(愛染明王)とは、「生死即涅槃」(不動明王)とともに大乗仏教の真髄を表している言葉です。
悟りを妨げる煩悩が菩提(悟りと)相即不二 (そうそくふに) であることをいいます。
つまり、煩悩を離れて菩提もなく、煩悩がそのまま悟りの縁となることをいいます。
ただし、だからといって煩悩を放っておいてよいということではありません。
瑜祇経(ゆぎきょう)
くわしくは〈金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経〉と題する密教経典。瑜伽はヨーガ行者を意味するサンスクリット語yoginの音写である。
唐の金剛智(こんごうち)に帰せられる2巻本の漢訳が現存するが、空海の「御請来目録」が不空訳と伝えていることもあって訳者には異説があり、さらには中国撰述の可能性もある。
「瑜祇経」. 中村元.『仏教辞典』第 二 版. 岩波書店,2002,p.1025.