
― 真言密教の護摩 ―
護摩とは、サンスクリット語 homa(火供)に由来する密教の修法です。
火を焚き、供物を捧げ、真言を唱え、印契を結ぶことにより、煩悩を智慧の火によって浄化し、願いを仏前に届ける行法です。
この儀礼は古代インドの火祭祀に源流を持ち、それが大乗仏教・密教の中で再解釈され、中国を経て日本へ伝来しました。日本においては、平安時代初期に 空海(弘法大師)が体系化した真言密教の中で、護摩は中心的修法の一つとなりました。
護摩祈祷とは、護摩による諸尊の加護・救済をいいます。
護摩は、サンスクリット語の「homa」の音写で密教(秘密仏教)における特別な修法です。供物を火中に投じ諸尊を供養し、あらゆる現世利益(げんぜりやく)をかなえます。

神仏の加護や救済、「加持力」によって三障四魔を退散させ、三毒(貪瞋痴)の煩悩を焼き払い、除災招福や無病息災、開運出世、諸願成就・心願成就・大願成就などの願い事をかなえます。
具体的には、対人トラブルが解決、仕事やビジネスが成功、夢や希望が実現。
そのためにも、三障四魔や三毒(貪瞋痴)という恐ろしい存在に対する理解を深め、近づかないように努力することが大切です。
祈祷(祈禱)とは
神仏に心願をこめて祈り、霊験・利益・加護・救済などを願う宗教的行為、祈願・祈誓・祈念などともいう。仏からの働きかけ(加)を衆生が受持(持)するという意味の「加持」という言葉を冠して、〈加持祈祷〉という熟語としてしばしば用いられる。
古代インドのヴェーダの慣習では、天啓聖典ヴェーダの呪句(マントラ)には神秘的な霊力(ブラフマン、梵)が宿っており、それを用いて祈れば神々をも自由に動かして世俗的な目的を達成することができるとされた。
「祈禱」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.200.
加持(かじ)[s.adhiṣṭhāna]
もともと原語は、上に立つ、あるいは往処などの意味であるが、仏教では加被(かび)❅加護の意味に用いられる。空海は❅『即身成仏義』において、加持を2字に分解して、❅仏と❅行者(ぎょうじゃ)の瑜伽(ゆが)の関係でそれらを理解する。
「加持」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.144.
護摩法には息災・増益・降伏・鉤召・敬愛などがあります。