五大明王

五大明王とは

 

五大明王(ごだいみょうおう)は、密教特有の尊格である明王のうち、代表的な中心となる5つの明王を組み合わせたものです。

 

五大明王は、仏教徒を悪魔や邪悪な存在、障害などから守り、悪しき障害を撃退し、慈悲と智慧を授けてくれます。

 

わが国においては平安時代に怨敵退散や悪魔調伏、無病息災・延命長寿、除災招福、また、縁結び、安産・出産などの祈願のために多く祀られるようになりました。
それぞれの明王は「東西南北」を守護しています。

 

● 中央 - 不動明王 - 大日如来の教令輪身

 

● 東方 - 降三世明王 - 阿閦如来の教令輪身

 

● 南方 - 軍荼利明王 - 宝生如来の教令輪身

 

● 西方 - 大威徳明王 - 阿弥陀如来の教令輪身

 

● 北方 - 金剛夜叉明王(東密系) - 不空成就如来の教令輪身

 

※ 烏枢沙摩明王(台密系)

 

なお、明王とは密教において非常に重要な存在であり、多くの人々から信仰されています。人々を苦しみから解放し、幸福に導くほとけです。また、衆生を救済し、悟りへと導く力強い力の象徴です。

 

■ 五大明王(ごだいみょうおう)

 

不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王(もしくは烏枢沙摩明王)の五明王を集成したもの。

 

第5の明王について真言宗は金剛夜叉、天台宗は烏枢沙摩の各明王を立てる。

 

成立は中国と推定されるが、わが国においては平安時代に各尊それぞれの壇を設けて調伏や出産を祈願する〈五壇法〉が藤原氏などの貴族階級を中心に信仰され(五大堂)も建立された。

 

「五大明王」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.337.

 


不動明王 | 五大明王の中心的存在-宇宙の法理大日如来のメッセージを伝える護法尊

不動明王とは

 

不動明王は密教の尊格である明王の一尊です。密教の根本尊である大日如来の化身とされています。

 

一般的に青黒い色で忿怒の形相です。これは、煩悩によって苦しんでいる衆生を、その怒りの力で救済するためです。

 

そして、右手に剣、左手に縄を持っています。剣は煩悩を断ち切る力、縄は衆生を救済する力を表します。

 

さらに背中の火炎は煩悩を焼き尽くす力の象徴とされています。

 

不動明王は大変恐ろしい姿をしていますが、あらゆる衆生を救済する慈悲深い仏様です。

 

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