希望の光

希望の光

希望の光

 

もう九年前になる。

 

母の追福菩提を祈るために四国遍路へ出かけた。

 

全行程約1200㎞。

 

いろいろな出来事があった。

 

特に、修行の地(土佐・高知)では、連日の豪雨や落雷、突風や強風などに遭遇し、何度も心が折れそうになった。

 

とりわけ、青龍寺に向かう道が、最も長く、険しく、厳しく感じた。

 

警報が解除された後、宇佐大橋を渡ると道路がまるで川のような状態になっていた。

 

しかたなく堤防の上を歩いて札所を目指した。

 

やっとの思いでお寺に到着、石段を一歩、一歩登り、お不動様の御姿が見えた瞬間、

 

胸の奥から熱いものがこみ上げてきた。

 

そして、大粒の涙があふれ出した。

 

希望は、暗闇の中でうっすらと輝く小さな光である。

 

囚われの心でいると、すぐに見失ってしまう。

 

でも、いつもそばにある。

 

それは、どんな時も、どんな時でも。

 

だから、けっして途中であきらめたり、投げ出したりしてはいけない。

 

歩き続けていれば、やがて見えてくる。

 

希望という光が。

 

生かせいのち

 

南無大師遍照金剛

 

合掌 天宮光啓

 

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