十善戒

十善戒

この記事は以前に公開した記事です。アクセスの多い記事なので、特にリライト記事に必要な文言などを加筆・修正して再度公開しています。

 

今後も、必要に応じて加筆していきたいと思います。(2024/02/12)

 

仏教の十善戒は、仏教徒が守るべき10の戒律です。

 

三業(さんごう:身口意)で造るもろもろの罪(つみ)や咎(とが)を十善に導く戒めです。

 

殺生をしない、盗みをしない、不倫をしない、うそをつかない、うそを広めない、人を中傷しない、貪欲にならない、怒らない、愚痴を言わない、間違った考え方をしないことです。

 

十善戒の教えをよく守り、よく保つことで、心身の汚れが払われ、煩悩(三毒)が断ち切られ、幸せが近づいてきます。

 

三業とは、一切の行為(カルマ)を3種類に類別したものです。

 

人間の行動は「動作(身業)・言語(口業)・精神(意業)」の三つから成り立ち、仏教では煩悩の原因と考えます。

 

 

十善戒とは

 

十善戒とは、十種類の善行を総称した戒めです。十善業(じゅうぜんごう)、十善道(じゅうぜんどう)ともいいます。十悪の否定形であらわします。

 

特に、仏教では人間の行為のすべてを身(行為)、口(言葉)、意(心)の3種に分けて、私たちの「身・口・意」(三業)でもろもろの悪(十悪)をつくらないことの大切さを説きます。

 

なぜなら、私たちの日々の言動が業(カルマ)となって、三毒を生み出し、因果応報(善因善果・悪因悪果)によってその報いを受けることになるからです。

 

つまり、十善戒に背く生き方をしていれば、やがてその悪因の代償を支払うことになり、逆に、十善戒を守る清らかな生活をしていれば、おのずと幸福が訪れるようになります。

 

● 身体において

不殺生(ふせっしょう) むやみに命あるものを傷つけず殺さず
不偸盗(ふちゅうとう) 盗むことなかれ、与えられていないものを自分のものにせず
不邪淫(ふじゃいん) 淫らな男女の交わりをおこなわない

 

● 言葉において

不妄語(ふもうご) うそをつかない、根拠もなく無責任なことをいわない
不綺語(ふきご) 飾り立てた不誠実な言葉を発しない
不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない
不両舌(ふりょうぜつ) 他人同士を仲違いさせるようなことをいわない

 

● 意において

不慳貪(ふけんどん) 欲深いことなかれ、むさぼることなかれ
不瞋恚(ふしんに) 耐え忍んで怒らない、憎しみや嫉妬心から怒ることなかれ
不邪見(ぶじゃけん) 誤った見方や、間違った考え方をすることなかれ

 

私たちは、身体(身)、言葉(口)、心(意)の三業(さんごう)で日々いろいろなものを生み出します。

 

三業(さんごう)とは、行為・行動・思考の三つの要素のことです。人々の行為はその善悪に応じて、来世や現世での幸不幸が決まるとされています。仏教では、この因果応報の法則を理解し、悪行をせず、善行を積むことによって、生死輪廻からの解脱や悟りを得ることができると説いています。

 

十善戒を保つことで功徳を積むことができます。死を迎えた瞬間、恐怖と絶望に苦しまないためにも、また後悔のない人生を送るためにも十善戒をよく守りよく保つことはとても大切です。

 

※ 十善戒は、三業(三つのカルマ:身と口と意)で造るもろもろの罪や咎を戒めるための大切な教えです。決して軽視してはなりません。

 


仏教の十善戒を守る方法

仏教の十善戒は、仏教徒が守るべき10の戒律です。十善戒を守る具体的な方法は以下のとおりです。

 

不殺生:殺生をしない

殺生をしないためには、まず、命の尊さについて考えることが大切です。人間だけでなく、動物や植物の命も尊いものであり、無駄にすることは避けるべきです。また、食べ物や衣類を選ぶ際にも、殺生を伴わないものを選ぶように心がけましょう。

 

不偸盗:盗みをしない

盗みをしないためには、まず、与えられていない他人の物を自分の物にすることへの罪の意識や罪悪感を認識します。他人の物を盗んだ場合の罪や罰についても考え、盗みをしないよう心がけましょう。

 

不邪淫:不倫をしない

不倫をしないためには、まず、結婚の意味や夫婦の絆について考えることが大切です。不倫は、配偶者や家族を傷つける行為であり、仏教では戒律として禁じられています。

 

不妄語:嘘をつかない

嘘をつかないためには、まず、真実を話すことの大切さを理解することが大切です。嘘をつくと、信頼関係が崩れ、人間関係が悪化する可能性があります。また、嘘をつくことで自分の心が汚れてしまうことにも注意しましょう。

 

不綺語:飾り言葉を使わない

飾り言葉を使わないためには、まず、ありのままの自分を受け入れることが大切です。飾り言葉を使うと、相手に誤解を与えたり、自分の良さを隠したりしてしまう可能性があります。また、飾り言葉を使うことで、自分の心が嘘まみれになることにも注意しましょう。

 

不悪口:悪口を言わない

悪口を言わないためには、まず、他人の悪口を言うことの愚かさを理解することが大切です。悪口を言うことで、自分の心が汚れてしまうだけでなく、相手を傷つけてしまう可能性があります。また、悪口を言うことで、自分の心がネガティブな感情に支配されてしまうのことにも注意しましょう。

 

不両舌:仲違いをさせる言葉を言わない

仲違いをさせる言葉を言わないためには、まず、他人の仲を裂くことの愚かさを理解することが大切です。仲違いをさせる言葉を言うことで、相手を傷つけ、人間関係を悪化させてしまう可能性があります。また、仲違いをさせる言葉を言うことで、疑心暗鬼(ぎしんあんき)を生じてしまう点にも注意しましょう。

 

不慳貪:欲深くならない

欲を出さないためには、まず、人間の欲望の無限さを理解することが大切です。欲を出すことで、心が満たされることはなく、むしろ不安や不満を増大させてしまう可能性があります。また、欲を出すことで、自分の心が物質に支配されてしまう点にも注意しましょう。

 

不瞋恚:怒らない

怒らないためには、まず、怒りの原因を理解することが大切です。怒りは、自分の欲望や期待がかなわないときに起こるものです。怒りを起こさないためには、自分の欲望や期待をコントロールすることが大切です。また、怒りを起こさないためには、自分の心が平静を保つように心がけましょう。

 

不邪見:間違った見方や考えを持たない

間違った考えを持たないためには、まず、正しい知識を身につけることが大切です。間違った考えを持つことで、自分の心が迷い、間違った行動をとってしまう可能性があります。また、間違った考えを持つことで、自分の心がネガティブな感情に支配されてしまうのにも注意しましょう。

 

十善戒は、仏教の基本的な教えである「三法印」を具体的に表現したものとされていす。

 

三法印とは、仏教の教えの真理を示す3つ「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」です。

 

● 諸行無常とは、すべてのものは常に変化しているということ。

 

● 諸法無我とは、すべてのものは独立した実体ではなく、因果関係によって生じているということ。

 

● 涅槃寂静とは、すべての苦しみから解放された状態。

 

十善戒は、これらの教えに基づいて、人々が幸せに生きるために必要な戒律として説かれています。

まとめ

仏教の十善戒を守ることによって、日常の生活の中でさまざまなメリットを感じるようになります。

 

最後、具体的な例を以下の3つにまとめました。

 

● 心が清らかになる
十善戒を守ることによって、心が清らかになり、煩悩から解放されやすくなります。

 

● 人間関係が良好になる
うそをついたり、悪口を言ったりなどの悪い行いをしなくなるため、人間関係が良好になります。

 

● 幸福な人生を送れるようになる
心が清らかになり、人間関係が良好になることによって、幸せが近づいてきます。

 

十善戒を守ることは、容易ではないかもしれませんが、仏教の教えを実践するための第一歩です。

 

仏教の教えは、人間が幸せに生きるための智慧と道徳の教えです。

 

十善戒を守ることで、心が清浄になり、苦しみから解放され、より良い人生を送ることができます。