天宮光啓「チベット回想録」死と再生

チベット仏教

 

隔絶された最後の秘境、聖地シャンバラ伝説が今も息づく永遠の理想郷がある。

 

神仏との合一、六道輪廻、死と再生のプロセス、私たちは一体どこへ向かうのだろうか。

 

昔、訪れたチベットで見聞してきたいろいろなことを「天宮光啓チベット回想録」として今後少しずつ綴っていきたいと思います。

 

チベット仏教

 

合掌 天宮光啓

チベット回想録(死と再生)記事一覧

天宮光啓「チベット回想録」昔、チベットでラマ僧から「シャンバラ」に関する伝説を教えてもらった。最近、それにまつわる夢をまたよくみるようになった。シャンバラとは、ヒマラヤ山脈周辺諸国やチベットなどで語り継がれている伝説的な聖地である。シャンバラに関する伝説や信仰は、仏教をはじめヒンドゥー教やボン教など、さまざまな宗教や哲学的な伝統の中に今も息づいている。いわば人類が繁栄と調和の中で安らかに暮らせる理...

最近、またチベットのことを懐かしく思い出す。チベットの密教寺院ではいろいろな瞑想をした。しかし、最初はどれもこれも難しく、なかなか思うように成果が出なかった。気持ちばかりが焦り、私には才能がないと思い悩んだ。そんなある日、早朝の薄暗い本堂の中で静かに瞑想しているラマ僧の姿を見かけた。ふとそのラマ僧と一緒に瞑想したくなった。そして、向かい側に腰掛け目を閉じた。すると、しばらくして月の光に包まれている...

何度目かのチベットの旅で、ようやく聖地ラサを訪れることができた。はるか遠くにある。心のどこかにいつもあった。古より伝わる仏教の教え、最後の秘密の教えが今も息づいている。チベットの大地に足を踏み入れた瞬間、電流が全身を駆け抜けた。大きな光のベールに包まれたように感じた。到着後、すぐにある寺院に向かった。堂内はとても薄暗く、線香とバターランプの独特な匂いが入り交じっていた。うっすらと浮かび上がる仏像や...

チベット仏教で体験した臨死体験昔、チベットで驚くべき経験をした。それは、「臨死体験」というものだ。この体験は私の心と魂に深い感動を与え、今もなお多くの影響を与えている。そこで、今日はその貴重な体験について話してみたい。もうかれこれ20年前のことになる。チベットのある寺院で「五体投地」を繰り返す礼拝修行をおこなった。私が訪れたその場所は、標高が4千メートル近くにあって、酸素は私たちの住む場所よりはる...

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