密教(深遠なる秘密の教えに迫る)

密教(深遠なる秘密の教えに迫る)

密教(秘密仏教)

 

密教(みっきょう)は、仏教の一派であり、主に東アジア(中国、日本、韓国など)やチベットなどで広まっている宗派です。密教は、インドの仏教から派生した教えであり、特にチベット仏教においては中心的な位置を占めています。

 

密教は、一般的な仏教の教え(顕教)に加えて、タントラと呼ばれる秘密の教えや実践を含んでいます。

 

タントラは、身体のエネルギーや感覚を利用して、仏教の目的である悟りや解脱を追求するための手法や儀式を指します。

 

密教の実践では、マントラ(特定の音節や言葉の反復)やマンダラ(幾何学的な図形)、ヨーガ(身体的な実践や瞑想)などに重点を置き、仏教の慈悲や智慧の教えを体現し、苦しみを和らげるための実践を重視します。

 

密教の目的は、個人の悟りや解脱だけでなく、他者の利益や救済(自利利他)にも焦点を当てます。

 

ただし、密教は奥義や秘密の要素を含んでいるため、外部には教えが公開されず、入門者は特定の師から直接教えを受ける必要があります。

 

また、密教は一般的な仏教とは異なる儀式や信仰形態を持つため、その教えや実践は地域や宗派によって異なる場合があります。

 

密教は、仏教の教えをより実践的な方法で追求するための手段として、独自の道を歩む人々にとって重要な存在です。

 

密教(秘密仏教)

 

密教(みっきょう)は、大乗仏教の …≫ 詳細ページ

密教の歴史(インド密教史) | インド密教史の時代区分

インド密教を理解する上で重要なのが、時代区分と密教経典の分類です。

 

そこで、まずこの二つを下記に要約します。

 

この点、インド密教史の時代区分は、六世紀までを「前期」、七世紀を「中期」、そして八世紀以降を「後期」の三期に分けます。

 

また、インド、チベットの伝統では、密教(タントラ)経典の内容から大きく四種類のグループに分類します。

 

 

 

● 所作タントラ

 

『蘇悉地経』、『孔雀明王経』など、陀羅尼の読誦や作段法など

 

● 行タントラ

 

『大日経』、大乗の実践道、内観を重視

 

● 瑜伽タントラ

 

『金剛頂経』(真実摂経)、『理趣広経』、『悪趣清浄タントラ』(チベット)など

 

※神秘思想の完成

 

● 無上瑜伽タントラ

 

生起次第と究竟次第。「三摩地の法」をさらに実践面として展開

 

※ プトン・リンチェントゥプ(1290年~1364年)

 

 

 

松長有慶編『密教』岩波新書、2005年

 

松長有慶編『密教を知るためのブックガイド』法蔵館、1995年

 

 

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ちくま学芸文庫
密教

 

 

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密教とは何か。はじめての方でも、

 

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